「コンテンツ」と「コミュニケーション」の関係がいまいちピンとこないあなたへ

先日、CSS Nite in SHIZUOKA 新代表の池田さんがこんなブログ記事を書かれた。(未読の方はぜひ読んでみて欲しい。)

CSS Nite in SHIZUOKA, Vol.6のテーマについて|池田僚介

今回のテーマは、運営スタッフ間の議論で『コンテンツ』と『コミュニケーション』というキーワードに至ったことが、キッカケとなります。

今回の静岡版CSS Niteのテーマは「制作者・クライアントそしてユーザーへ、伝える伝わるWebコンテンツ制作」である。しかしながら、当初は「コンテンツ」と「コミュニケーション」の関係性があまり消化できていなかった。自分のなかの“モヤモヤ”を棚卸ししながら今回は書いてみたい。

作り手と読み手のコミュニケーション

人間というものは面白いもので、気になるキーワードが心の中にあると、それに関した事柄が目に入りやすくなる。引き寄せとでも言うのだろうか。

そんなさなか、数日前にこんな記事を読んだ。
筆者は「北欧、暮らしの道具店」を手がけるクラシコム代表の青木さん。

イベントで寄せられた質問に筆者が回答を寄せているのだが、腑に落ちる部分があった。

コンテンツをつくって、それが流れていくことは無駄なことではない。 – クラシコムジャーナル

「僕はコンテンツをつくる時(あるいはコンテンツづくりに関わる時)一つ一つのコンテンツを「作品」とか「資産」とは思っていないのかもしれません。僕にとってコンテンツをつくり、リリースすることは「コミュニケーション」の一つの手段だと思っています。

僕がしたいことは何かの意見や、情報や、表現を広く伝えたり、世に問うたりすることではなくて、コンテンツを通じた「コミュニケーション」によって読者に喜んでもらうことや、それを積み重ねることで良い関係をつくり、メンテナンスし続けることです。

ああ、そう言うことか。
それならこのブログを始めた時から、既にやっているのでは?

読み手のことを考えながら自分のアウトプットとして記事(コンテンツ)を書く、役に立てたらいいなーと思う。これこそコミュニケーションじゃないのか。(結局考えすぎて遅筆、お蔵入りになってしまうのだけど…。)

このブログは2005年に始めてもう12年になるけれど、そんな気持ちで書いた記事はいまだにアクセスがある。

MovableTypeでスタートしたこのサイトだが、WordPressに移行し、SSL化をしたり、ディレクトリ構造・パーマリンク設定を変更するなどを経ているが、その都度 301リダイレクトをして訪問者が迷わないようにメンテナンスをしてきた。先ほど引用した言葉を借りるのであれば、このようなコンテンツのメンテナンスだって立派なコミュニケーションではないだろうか?

つまりは「読み手」のことを考えているか、ということだ。

作り手同士のコミュニケーション

読み手という側面からの「コンテンツ」と「コミュニケーション」は腑に落ちた。ならば、コンテンツを生みだす制作の現場でのコミュニケーションはどうだろうか?

先日、CSS Nite in SHIZUOKA Vol.6 の登壇者でもある森田哲生さんの著書「書かなきゃいけない人のためのWebコピーライティング教室」を拝読した。

「相手がまだ知らないかもしれないこと」を伝えるときに、まずは、「自分も相手も知っていること」を入口にして、互いの視線を合わせてからスタートすることが肝心だと思っています。

「おわりに」で森田さんはこのように書いている。これは同著の要ともいえる点であるが、「互いの視線を合わせてからスタートすること」は、伝えたいことを伝えるために最も重要なことだと私も思う。

それは作り手と読み手だけでなく、コンテンツを作る制作者同士でもいえることだ。クライアントと営業、営業と制作、ディレクターとデザイナー、デザイナーとコーダー・エンジニア…思い当たる節はひとつやふたつではないはず…だ。

「伝えたい」ことを上手く伝えられれば、聞き出せたら…いま流行の「タラレバ」ではないが、そこで堂々巡りしていてはもったいない。幸いして多くのアイデアや手法、ツールがインターネットを介して利用できる時代である。テクニックやツールでカバーできる点はどんどん活用し、さらにはよりよいコンテンツを作っていくことができると思う。

すべての人に共通した正解はないが、ヒントは得られるはず

このように、ウェブ制作においても「作り手と読み手」、作り手と作り手」とさまざまなコミュニケーションがある。また、デジタル時代においてコミュニケーションの手段が手軽になった反面、その質を問われることが多くなった気がしている。

だからこそ、CSS Nite in SHIZUOKA, Vol.6 でいまいちど「コンテンツとコミュニケーション」のことを考えてみたい。すべての人に共通する完璧な解答はないが、「!」と思うヒントはすべての人が得られるはずである。

CSS Nite Shift に初参加しました

写真:スクリーンに投影された Shift10 ロゴ

過日12月17日(土)のことですが、CSS Nite Shift10:Webデザイン行く年来る年 に参加してきました。

CSS Nite は LP3 の頃から参加(ブランクはありますが^^;)しているにも関わらず、年末の Shift には初参加。今回は静岡県に縁のある方々が多く登壇するということや、スタッフをしているシフシズのメンバーも多く参加するということで、とても楽しみにしていました。

私の中で都市部の勉強会やセミナーに参加する目的は二つあります。

一つ目は、もちろんトップランナーの方々のお話やノウハウをお聞きすること。
そして二つ目は、こういった場でしかお目にかかれない方とお話しすること。私は「懇親会からが本番」派なのです。(下戸ですがw)

最近の私と言えばもっぱらマークアップの日々。また、興味関心もそちらに向きがちなので、Web に関する全トピックを深く追うことが難しい状況です。「何が分からないのか分からない」状況を自分の中で無くしておくためにも、このような一年を振り返るイベントはとても貴重な機会ととらえています。

ツールの進化がめまぐるしい昨今、Web上で解説を読んでも使いどころが分からないことが多く、セッション中のデモを見ることで「おお!」と言うことありました。(それ自体、単に“寄る年波問題”ではありますが…。)

そして、今回の懇親会はがっつり(笑)参加しました。二次会まで行くのは実に LP4 以来ですね。
(LP3, 4 参加してましたーと話すと、大体が懐かしい!と言われますw。)

先に挙げたシフシズは、CSS Nite in SHIZUOKA 実行委員会スタッフが運営する勉強会グループです。そのため、懇親会に参加された他の地方版の方に盛り上がりの秘訣や、若年層の集客についてお話をうかがったりしました。もちろんその土地柄の影響も多くありますが、それをふまえてどのように活動していけばよいかを考えるヒントになりました。

今年は都市部の方だけでなく地方で活動されている方にもお会いし、多くの刺激をいただきました。この先も暮らしていくであろう静岡で、自分にできることはなにか、どうすればよいかを改めて考えた1日でした。このことは改めて書こうと思います。

余談ですが、懇親会での長谷川恭久さん(基調講演で登壇)の iPad Pro パフォーマンスに魅了されたので、次年度の経費予定に組み込んでおきましたw。

WCAN mini で Webアクセシビリティをさらに深めるきっかけを得て

6月4日(土)に名古屋で開催された「WCAN mini 2016 Vol.1 そのモヤモヤをWebアクセシビリティの達人がスッキリ晴らす! Webアクセシビリティ はじめの一歩、キホンの「キ」とアリアの「ア」!」(なっ…長い…)に参加してきました。

今回の勉強会は、2月に大阪で開催されたものの再演。
大阪の回は物理的な距離を理由に泣く泣くあきらめましたが、名古屋なら懇親会も参加して余裕の日帰りですから喜び勇んで申し込みました。(名古屋の勉強会に行くと「遠くから来たねー」と“毎度”言われますが、静岡西部からは思いのほか近いんですよ…。)

Webアクセシビリティの基本は押さえていても、ざっくりとしか理解していなかった「WAI-ARIA」。実装したらどのように支援技術に伝わるのか、それをもってなにが実現できるのか…深く学ぶきっかけになればと、興味深くお話を聞いてきました。

今日から始めるWebアクセシビリティ、まずはココから!

写真:セッション前の撮影タイムでスライドの映るスクリーンと植木さん

インフォアクシア代表・植木さんのセッションは、明日から取り組めるWebアクセシビリティの基本のお話。合成音声に台詞を読み上げさせる演出が心憎いですね。

Webアクセシビリティを取り巻く国内外の現状(障害者差別解消法施行や外国での法整備)、デバイスの多様化によって対象者の裾野が広がったことなどをふまえ、「マシンリーダブル」をキーワードにどうやって対応(マークアップ)していけばいいのかを一つひとつ丁寧に掘り下げて解説されました。

このセッションの内容は、ひと昔前から心がけていることのおさらい+普段見過ごしていることの発見というような感じでした。(#ff0000のコントラスト比が実は4.0:1でJIS規格で求められる値に満たない話や、キーボードでのフォーカスが正しく操作できるモーダルウィンドウの話など。)

スライドの後半、ヤコブ・ニールセン氏の Twitter Bot の引用があり、そんなBotがあったのねと早速フォローをしましたけれど、「ヤコブ・ニールセンをご存じの方?」という質問で挙手が少なかったことには、かなりジェネレーションギャップを感じうるしかなく…。

HTML5で今日から使えるWAI-ARIA

写真:セッション前の撮影タイムでスライドの映るスクリーンと大藤さん

復職してから目にするようになった「WAI-ARIA(ウェイ・アリア)」の文字。何て読むの?というところからのスタートで、ランドマーク・ロールを使う程度でした。

これまでに仕様書や大藤さんのWAI-ARIA本など、文字としてその概要を読むことはありましたが、デモを見ることで実際のマークアップでの使用するイメージがわきました。Open Ajax Accessibility というWebサイトにマークアップ例が多数掲載されているということで、こちらで復習をかねて勉強をしてみたいと思います。

駆け出しだったころ、HTMLやXHTMLのリファレンス本で(間接的に)非常にお世話になった大藤さん。その頃は札幌在住でいらしたのが、今は名古屋にお住まいなのだとか。なかなかお会いする機会がないなぁと思っていたのが、初めてお目にかかることができ感無量。

まとめ

Webアクセシビリティの話題を Twitter などで追いかけていると、スクリーンリーダーや WAI-ARIA、さまざまなデバイス、障害者の方の体験談、大なり小なりいろいろなものが流れてきます。

その早い流れに身を任せていると、「はて?それはすぐ自分に必要な情報だろうか?」「それを取り込める器はできているのだろうか?」という不安と、許容量を超えそうな情報にすこし振り回されている自分もありました。

有益な情報があっても、このままだと馬子にも衣装、猫に小判だぞと。
ならば基本に立ち返ってみよう。Webアクセシビリティの基本とそこから一歩進んで WAI-ARIA をちゃんと固めよう。そんな気持ちで参加した勉強会でした。

質疑応答で「東京ではWebアクセシビリティを基本対応することで、競争力に繋げている企業もある」というお話も出ました。この先、事業者もWebアクセシビリティが努力義務から必須になっていった際、地方でも先んじて取り組んでおくことで、ひとつの武器になるのではないかと思います。

植木さんは、「Webアクセシビリティの学校」というWebアクセシビリティの基本を学べるセミナーを全国各地で行っておられます。Webアクセシビリティについて考えたり学ぶ場の少ない地方でもそういった試みが回を重ね、少しずつWebアクセシビリティが“あたりまえ”になっていくといいなと思うところです。

私個人としては、懇親会で静岡西部に縁がある植木さんと地元の話などしたり、大藤さんにリファレンス本でお世話になったお礼などができたりで非常に楽しゅうございました(笑)。

まとめの余談

イベント開始前にWebアクセシビリティに関連した TED Talk が流れていたのですが、何のトークだったのか気になります…。どなたか知っていたら教えてください。

Illustration by Freepik

Web系勉強会 Dorpamine で LT デビューしました

昨日、浜松市で新しく立ち上がったWeb系勉強会 Dorpamine(ドーパミン)「みんなの開発環境」にて、遅いLTデビューをしました。

Dorpamine は、“浜松から発信するローカルデザインメディア” DORP(ドープ)の活動の一環として始まった勉強会です。

今回は DORP 中の人で、前職でもご縁のあった @planpot さんに声をかけてもらい、「デザイナーさんでもできる Browsersync からはじめる作業効率化」と題して初心者向けのお話をしました。

地域初の制作系勉強会

「内容は開発環境についてにしようと思います。」
@planpot さんから、そうお話をいただきました。

この地域初めての制作系勉強会、しかも初回。どういう方が参加されるかも全く見えない状況でした。初回からマニアックな話をして“勉強会”の敷居を上げるのも嫌だなーと思い、今回はかなり基本的な内容になった次第です。

ふたを開けてみれば、参加者はデザイナー、エンジニア、マーケティングとさまざまなジャンルから10名ほどが集まり、のんびりとした雰囲気で2時間があっという間に過ぎました。発表のあとも参加者同士でお題についてフォローや質問をしたり、非常に充実した時間でした。

懇親会は6名ほどで近くの寿司飲み屋で。フリーランスの諸先輩からためになるお話をいろいろ伺い、これもまた勉強になりました。

当日の資料

私としては、スライドを作ることも、社外の勉強会で話すことも初めてで、最初はスライド送りに集中するあまりPCに向かって話すといった始末w。LTと言えば5分で話すのが定石ですが、時間に余裕があったようで結果的に8分ほど時間をいただきました。

他の方のAdobeツールやチーム制作環境の話に比べたら実に地味な内容だったので、どうだったかなーと内心気になっているところです(笑)。

今回のスライドは SlideShare にアップしてありますので、よろしければご覧ください。この補足として、ブログ記事を追って公開予定です。

それにしても Keynote はすごいですね。PowerPoint から逃げて10数年の私が、サクサクとここまでスライドを作れたのも Keynote のおかげです。

次に機会があるのなら、もう少し笑いを取りに行きたいところですw。

余談

私の活動する静岡県西部は、製造業のグローバル企業や国立大学の工学科がある「ものつくり」が地盤の地域です。Web制作会社も比較的多くあります。

それゆえシステム関連の勉強会やイベントはとても活発に行われているのですが(この日もオープンソース関連のイベントがありました)、組織の枠を超えたフロントエンド・デザイン寄りの勉強会はこれまでありませんでした。

そういう流れもあり、DORP と Dorpamine にはこの地域の制作者のスキルアップや交流を図るといった点で非常に期待しています。