2016年の自分が欲しかったWordPressテーマ制作の本を、5年後の自分が書いた話

約2年ぶりのブログ更新です。

わたくし、本日一冊の本を上梓いたしました。
上梓じょうし」って、憧れる言葉です。いやー、単に使ってみたかっただけではありますが。

あらためてまして。
本日1月13日、執筆に携わった「WordPress オリジナルテーマ制作入門」(技術評論社)が出版されました。執筆としては2019年に所属先メンバーが執筆した本の改訂時にお手伝いをしましたが、今回は個人での仕事としてまっさらからのスタートです。

オワコン扱いされることがままある WordPress ですが、それでも世界のウェブサイトの4割が WordPress で作られ、CMSシェアの6割を占めることから見ても、その勢いにはまだ衰えを感じさせません。もちろん案件での住み分けはありますが、低予算だったり小規模の案件ではまだまだ第一選択だよなぁと思います。その割には WordPress 関連書といえば運営初心者向けが多く、テーマを作りたい人向けは数少ないのが現状です。

今でこそ WordPress テーマの開発に携わっている私ですが、フリーランサー以前の現場ではずっと他のCMSを使っていました。デザイナー歴・WordPress 運用歴が長いわりにはテーマ制作は素人同然だった私がフリーランサーだった2016年当時、「こんな本あったらいいなぁ」と夢見ていた本を5年後に自分で書くなんて夢にも思いませんでした。

気づいたらちょっとだけ欲張っちゃってました

本書の企画は、共著者の清水由規さん(@yukishimizu910)が2019年に行ったセミナーに端を発しています。技術評論社の編集者の方から書籍化のお話をいただいてスタートしたのが2019年11月。まさにコロナ禍直前ですね。企画立ち消え(?!)の危機も乗り越え紆余曲折2年と少し、やっと出版にこぎ着けました。

共著者は活動領域も見えている景色も違う4人のデザイナー。企画や教えるのが得意な人、デザインから開発までこなす人、WordPressコミュニティで活動している人、テーマ開発している人。それぞれが仕事で WordPress を使い、さまざまなかたちで関わっているメンバーが執筆にあたっています。

テーマ制作の基本はもちろんのこと、WordPress の歴史やその置かれた現状、テーマ作成にあたって必要なPHP の知識、ブロックエディターへの対応方法、WordPress 公式ドキュメントやコミュニティなどステップアップの情報など、気が付いたらちょっとだけ(?)欲張った内容になってしまいました。私はテーマ制作の基本を扱ったChapter 5、6あたりを主に担当し、ナビゲート役の通称「ねこ先生」も描きました。

対象はこれからテーマ制作をはじめたい人、既成のテーマを使っているが PHP のコードを読めるようになりたい人。サンプルデータを使い実際に書き換えて手を動かしながらステップ形式で学習を進め、WordPress テーマを完成させます。(初心者向けではありますが、HTML と CSS は学習しているという前提のため、それらの知識がない方には難しく感じられるかもしれません。)

この本は教科書じゃないよね

「書名によく使われる“教科書”って言葉、この本には合わないよね。」
書名にも共著メンバーの思いが込められています。

“教科書”…どんなイメージを持つでしょう。
学校の勉強で使うもの、体系的に知識がまとめられたもの、ちょっと堅い感じ…おおよその方がそのように想像されると思います。WordPress で言えば、公式リファレンスが“教科書”にあたります。どんな技術やツールでもそうですが、公式リファレンス以上のものはありません。

ただ、やはり公式リファレンスはテーマ制作初心者には難しい…。「読め!」と言われても難しいものは難しいのです。本書はあくまでも公式リファレンスからその知識をお借りして分かりやすくかみ砕き、手に取った方の学習の助けになることを目指しているので「WordPress オリジナルテーマ制作入門」という書名になりました。言うなれば“指南書”といったところでしょうか。その先には公式リファレンスを読むことや、コミュニティへの参加が促されればいいなぁ…という共著者の願いがあります。

人からすれば本書の内容は「全部ネットに載ってるよ!」と言いたくなるかもしれません。 しかし、インターネット上に山とある WordPress の技術系記事は玉石混交です。テーマ制作初心者にはその情報が正しいのか間違っているのか、新しいのか古いのかすら分からない可能性も大いにあります。オンラインで学べる機会もずっと増えましたが、初歩的なところで「なぜそうなのか?」とモヤモヤしたままになったりするものです。

そのような方に向けて、4年前に私が四苦八苦しながら初めて“WordPress テーマ”を作った時に知りたかったこと、理解したかったことも含め、「現時点で WordPress テーマ制作に必要な知識はなにか?」を共著の4人で意見を交えながらしっかりと書きました。

やっと世に送り出せる日を迎え、私の役目は終わった…と目を細めて青い空を見ています。(まだ早い)

執筆後記

原稿を書き出したのは2020年夏、長い長い梅雨明けの、あの死にそうでうだるような暑〜い暑〜いさなかでした。遅々として進まない原稿、迫る一次締め切り、コロナ禍のストレス…。「まっさらから書くのは大変よ」と所属先メンバーに聞いてはいたものの、こんなに大変とは…。

本腰を入れて書き出した昨年は、本業、家事、育児、PTA の役、個人で受けている仕事、そして執筆と、一体何足のわらじを我は履いているのだ、ムカデか…と半笑いする日々を送っていましたが、「もう平日書くのはやめじゃぁぁぁ!わしゃ休みの日に書くぞ!」と割り切ってからは少し楽になりました。気分を上げようと、コワーキングスペースでも書いたなぁ、山の中でも書いたなぁ、河川敷でも書いたなぁ…。

実は共著者4人は執筆開始から今日まで1回も会ってないんです。コロナ禍で移動制限があったりそれぞれ本業のかたわらで執筆してたこともありますが、なにせ埼玉・東京・静岡と離れているので打ち合わせはすべてオンライン。原稿は Google Docs で管理し、校正は Git と PDF を使って行いました。いやぁ、すごい時代になったもんです。

まぁコロナ禍ということで遠くにも行けず、遊びたい盛りの子供とあまり絡んでやれなかったのが心残りですかね。そんなこんなで家族や所属先、関係各所の協力なしには完成しなかった本書、見かけた際にはお手にとっていただければ本望でございます。ご自身で必要なくともご紹介でも結構でございます。多くの迷えるテーマ制作初心者の学習の助けになりますように。

さぁーて、2022年はいっぱい子供と遊んでいっぱいインプットするぞー!