2016年、ふたつの活動から見えてきたこと(後編 – 地元)

2016年、ふたつの活動から見えてきたこと(前編)からの続きです。

地元のコミュニティ運営に参加する

もう一つの活動が TEDxHamamatsu
ここのメディアチーム(広報)としてWebサイトの運営からメンテナンスなどを担当しています。

参加するきっかけは先(前編)にも挙げた「地元のつながりが希薄なことに危機感を抱いた」こと。

自分と子供とまわりと

地元に戻って約5年、生活基盤もすっかり復活しました。
そのなかで、この先も静岡で暮らしていくなら、さまざまな人と関わりながら楽しく暮らしたいし、子供にも人や環境を通じていい刺激を与えたいな、と私は考えるようになっていきます。

TEDxHamamatsuでは、仕事では縁がないような職種や年代の方々と関われたり、使いどころの無かったスキル(※2)を役立てるよい機会になりました。不勉強を感じた分野(※3)は、さらに深く勉強するモチベーションをいただきましたし(笑)。

とにかく“ワクワクすること”の連続です。なんと言えばいいのでしょうか、インターネットにはじめて触れて世界が広がった10代の頃のような…。それに近いものを感じています。

未来へのタネを蒔こう

私の本職はWebデザイナー(主としてマークアップエンジニア)です。著作権とWebアクセシビリティに興味があって、趣味は写真とその展示。仕事内容は分業化が進んで得意分野だけが深くなっていき、この先に少なからず不安があります。

そんな人がこうして仕事以外のプロジェクトに関わり、写真や著作権の勉強で得たものを外に向けて使うことができました。自身のためだけにしてきたことが、仕事へと繋がるのではないかと自分に新しい可能性を感じたのです。また、広報というプロジェクト全体を見渡す役割を担うことで、俯瞰的にものを見る目も一層養われました。

思うに、自分の得意なことや職能で仕事と関係のないプロジェクトに関わることは、未来の自分へのタネを蒔く行為なのではないでしょうか。

考えるだけでワクワクするということ

「TEDx は価値のあるアイデアを広めるという活動である以前に、地域コミュニティである」とはオーガナイザー氏がよく口にする言葉ですが、季節ごとのスタッフ同士の集まりや、国内外の TEDx との交流にそれらがよく現れています。

そのローカルコミュニティは、TEDx という名の下この地域にとどまらず日本各地、ひいては世界に広がっている。それを考えただけでワクワクするのは私だけでしょうか?

2016年、とにもかくにも自分の居ていいと思える場所がやっと見つかったなーという気持ちです。この先も、そんなワクワクする気持ちは続きます。

後編最後に、そのワクワクってこんな感じかなーと思う TED Talk を張っておきますね。

“大規模多人数同時参加型” 指相撲?


※2 Lightroomでのアップロードや、写真展示で培ったパネル張りとか(笑)。
※3 知識のつまみ食いに過ぎなかった著作権分野。


まとめ:2016年は「しあわせは歩いてこない だから歩いてゆくんだね」

思考の整理と備忘録として、今年の活動を振り返りました。

昨年からなんとなく感じていた“波”と、それを後押しするような内容の2016年の占い。今年は「適度なよい思い込みは人生の杖」として、いつもなら信じない占いを頼りに突っ走った結果がこんな感じです(元来出たとこ勝負のアドリブ師で生きていますがw
)。ここに書き切れないほど、他にもたくさんのことがありました。

冷静に考えれば積極的に動いた結果なのかもしれません。ただ、2016年は今までになく「しあわせは歩いてこない だから歩いてゆくんだね」を実感した年であり、また、受動的に考え行動する自分から、「今の私にできることは何だろう」と能動的に行動する自分にスイッチが切り替わった一年でもありました。

さて、今年のマジメ記事はこれで終わりです。最後までお読みくださりありがとうございました。
そして、今年ご縁のあった全ての方にお礼申しあげます。

2016年、ふたつの活動から見えてきたこと(前編 – 仕事)

今年は4月にフリーランサーになり、業務以外で二つの活動を行いました。

  1. 仕事に関連したイベント運営に参加する
  2. 地元のコミュニティ運営に参加する

独立してから初の年の瀬、この二つを通して今年を振り返ってみようと思います。
(相も変わらず長いので、前編後編でお届けします。)

仕事に関連したイベント運営に参加する

今年、二つのイベントに運営スタッフとして参加しました。
ひとつはコマンドシフトシズオカ(通称シフシズ、運営は現CSS Nite in SHIZUOKA と同じメンバー)です。

1月3月と勉強会で発表する機会をいただき、その流れでスタッフしてみたら?と声をかけてもらったことが参加のきっかけです。

これまで勉強会といえば、もっぱら参加する方だった私。スタッフには興味があったものの、「勤めとの両立」が不安で二の足を踏んでいました。

社会人になって十数年、地元には勤め先と趣味のつながりくらいしかない自分がいました。そのうえ仕事上の“知”は都市部に集まりやすいため、自然と意識はそちらに向く。いかに地元を見ていなかったが自分の中に露呈したわけです。地に足が付いていないのはまずいなー、と。

西部の制作者はどこにいる?

さて、晴れてシフシズスタッフとなったわけですが、「参加者の高年齢化」と「集客のしづらさ」という問題を知ります。CSS Nite in SHIZUOKA, Vol.5 のときには、県西部からの参加者が少ないことも気になっていました。

ここで私の頭に浮かぶのです。「西部の制作者はどこにいるの?」と。県西部には中〜小規模の制作会社が多く、Web制作に従事している人はいるはずなんですけどね。(自分の所属先の人ぐらいしか知らないなぁ…というのが他スタッフの意見でもあります。)

「東海道新幹線に乗ると、いつまでたっても静岡だ。」と多くの人が言うように、とにかく東西に長い静岡県。「商業の街・静岡市」と「ものつくりの街・浜松市」というタイプの違う政令指定都市を抱えますが、それを背景に制作者が求めるニーズも参加意識も違うなという印象(※1)をもっています。(長くなるのでそこは割愛します。)

そして、制作者向け勉強会は静岡市で多く開催されます。県西部からでは交通の便がネック(※2)になって参加を躊躇したり、そもそも勉強会があることを知らなかったり…。わざわざ出かける気になれない人が多いのかも知れません。まぁ、これはあくまで私の推論ですが。

ならば自分で確かめてみよう

それなら自分で確かめてみよう、と始めたのが「浜松でWebのこと話そう会(@hamaweb_meetup)」。とあるきっかけで知り合ったITざっくばらん会の中の人に「テーマを絞ると人は集まらないよ」と聞いたことを思いだし、「働き方」をテーマとしました。

当日は現役の方をはじめ、Webを仕事領域にしたいグラフィックデザイナーや、Web業界に転職したいと考える10代、20代の方も参加してくださいました。

地元で仲間が欲しいという需要

その広報活動の中で気づいたのが「地元で仲間が欲しい人いるんじゃないのかな?」ということ。参加できなかった方からは「勉強中の身なので地元に仲間が欲しい」といった声もあり、制作者コミュニティの潜在的需要の裏も取れました。

また他方では「社会に出てからWeb制作の勉強をして、この先どう進んでいいか悩んでいる。だけれども(CSS Nite などの)勉強会は敷居が高いな。」といった方もいます。

そんなこともあり、来年はそのような層の受け皿となれるような活動をしてきたいと思っています。

2016年、ふたつの活動から見えてきたこと(後編)に続きます。


※1 私が静岡東部の事情に疎いため、どうしても中部・西部の比較になってしまいます。ごめんなさい。

※2 浜松→静岡間は片道約1時間弱。東西に走る私鉄が無いためJR網は若干高くつき、本数も多くはないため不便なのです。そうなると主な移動手段は自動車なのですが、慣れない土地に1時間半もかけてとなると…人によっては「うーん」となってしまうのですね。(バイパスが無料化されているため、有料高速道路は使われない傾向があります。)

静岡よ、あれが UX の灯だ

夏から秋にかけての放置が定番化してきた当ブログですが、今日は意識低いポエム(UXへの所感)を書いてみようと思います。

UX という言葉と私

出産で現場を離れたころ…でしたか、この「UX」という言葉を聞くようになったのは。たかだか数年前のことです。離職してからしばらくは Web のことは全く考えていなかったので、復業してからの盛り上がりにびっくりした覚えがあります。

もうね、浦島太郎状態。
しばらくは休んでいる間に出てきた技術やらなんやらを習得することに精一杯で、UX についてはなおざりにしていました。「UX」という“もやっと”した語感も、その一因だったと思います。周囲もそれほどその言葉を使っていませんしね。

浦島、手がかりを見つける

私は正直言うと「UX」がどういうものか分かっていません(笑)。
「UX」という言葉が一人歩きして、その本質が見えづらくなっている感じを受けます。

でも待てよ…、と。
私の頭の中には「ユーザー体験」や「ペルソナ」という離職前に覚えた言葉、意識していた言葉が見つかります。それって、そういえばどこに行ってしまったのだろう?いまでも(Web業界的に)使われている言葉なのかな…?と。

そもそも「UX」は User experience。「ユーザー体験」ですよね?ユーザーのことを考えた制作とは、UI やアクセシビリティもその一部なのかな…。

あれ?もしかしたら、知らないうちに“UX”を意識して仕事していたのでは…。

ならば、はっきりさせよう

個人の活動をはじめて約1年が過ぎました。
声を掛けていただくこともぼちぼちあり、そろそろ技術系だけでなく知識の幅をまた広げていく段階かなと感じています。「UX にもやっとしているなら、この際はっきりさせよう。このモヤモヤの原因はなんなんだ!」と思う余裕も出てきました。

でもね、UX を勉強できる場って都市部ばかり…。地方の子持ち兼業主婦はヒョイと行けません。

どうしようかな…そう思っていたときです。シフシズでUXデザイナーの坂本貴史さんをお招きし、セミナーを開催することが決まりました。坂本さんは「IA/UXプラクティス モバイル情報アーキテクチャとUXデザイン」の著者でもいらっしゃいます。

私はシフシズスタッフとしての参加ですが、この機会に「UX のモヤモヤ」を晴らしてこようと思っています。このモヤモヤの原因はなんなんだ!

同じように静岡でモヤモヤしている人、年初にすっきり晴らして UX の灯を見つけましょう!

TEDxHamamatsuSalon Vol.2 で知的好奇心の交差を目撃した一日

最近外に出ることが増えたので、「大人の課外活動」なんてタグを作ってみました。
手始めに、先の日曜(5月22日)に参加した「TEDxHamamatsuSalon Vol.2」のことから。


TEDxHamamatsuSalon とは

TEDx をご存じない方のために簡単に説明を。
TEDx というのは、NHKの「スーパープレゼンテーション」でも知られる TED から正式にライセンスを受け、厳格なルールに則って運営される“TED の地方版”。日本では東京をはじめ、北は北海道から南は沖縄までの都市や大学などで活動があります。そして浜松もそのひとつ。

今回参加した TEDxHamamatsuSalon は、これまでの TED Talk を参加者全員で視聴し、その内容から感じたことをディスカッションして知見を深めようというスタイルのイベントです。

この日はスタッフ含め50名近い人たちが集まり、5人ずつのグループに分かれて2つのセッションを行いました。私は今年から TEDxHamamatsu のボランティアスタッフとして参加しており、今回が初めてのイベント体験です。

イベントのテーマは「Across with Intellectual Curiosities(知的好奇心が交差する)」。


デザインチームのMasatoさんがテーマからイメージして描き下ろしたメインビジュアル。こんなところに学生の力が発揮されています。

参加することの意義

正直言って、なにか明確な「答え」が得られるようなイベントではありません。

ひとつの主張(アイデア)を人と視聴し、意見を交わし、そこから自分にはないものを感じ取って自身の活動につなげていく。これは一人ではできないことです。

また、普段と違う刺激を受けてじっくりと内観すること。普段の仕事や勉強を離れ、ひとまわり大きな視点で問題を観察してみる。それはすぐに実らなくても後の気づきや発想のきっかけになったり、会話のキーになったりするのではないでしょうか。すぐに成果や答えをを求められることが多い今の世の中では、逆にそれが大事なのかと思っています。

個人的には動画やテレビに時間を拘束されるのが苦手なので、見るための時間を確保できるというのはありがたいです。これは映画を劇場で観ることと似てますね(笑)。


会場は旧消防庁舎をリノベーションした「鴨江別館(アートセンター)」。趣あります。
Photo by TEDxHamamatsu / CC BY-NC-ND 2.0

プログラム: Ice Break 「トム・ウージェック:塔を建て、チームを作る」

まずは“つかみ”として視聴したのがこのトーク。発想力を問われるマシュマロタワーの制作を通し、チームをいかにしてゴールに導くか?ということを問う内容です。

視聴の後に実際にマシュマロチャレンジを行ってみました。
20本のスパゲティと90センチのテープと紐を使い、18分(今回は10分)でいかに高い場所にひとつのマシュマロを設置できるかという作業。これが意外と難しい。私のチームは63センチを記録したものの、最後まで自立することができず結果は0センチでした(笑)。

スパゲッティで作った三角形の構造物に刺さっているマシュマロ
Photo by TEDxHamamatsu / CC BY-NC-ND 2.0

マシュマロチャレンジは彼らが隠れた仮定を見出すのに役立つのです。

私が身を置くWeb制作界隈でも最近よく言われる「プロトタイプの重要性」に、このトークの内容が繋がるなーと思いながら観ていました。

プログラム: Session 1 「Curiosity(好奇心)」

模造紙に興味を書き出しディスカッションするグループメンバー
Photo by TEDxHamamatsu / CC BY-NC-ND 2.0

「興味があるけど実行できてないことを挙げてみよう。」
Session 1 は、3つのトークを視聴したあとにそこから開始。テーブルに広げられた模造紙に5人のグループメンバーが各々書き出していきます。

では、どうしたらその“興味があること”を実行できるのか。グループ内でディスカッション(堅苦しいものではなく、おしゃべりに近い感じ)したり、他グループの意見を聞いたりするなどして“知の再発見”を図ることに。

私の現実味を帯びている“興味があること”は、実行する気持ちを押してもらえましたし、先延ばしになっているものは、歳をとるごとに厚くなっていく「清水から飛び降りる気持ち」が原因なんだと再確認しました。

Session 1 の TED Talk

※ ティム・アーバン氏のトークは、GIGAZINEでも取り上げられた ので知っている方も多いかもしれませんね。お猿のあれです。

プログラム: Session 2 「Passion(情熱)」

熱中シートに熱中していることを書き出す女性参加者。
Photo by TEDxHamamatsu / CC BY-NC-ND 2.0

オーガナイザー(主宰者)曰く「重いテーマ」のトークが揃った Session 2。
感じるところはそれぞれだったようですが、物事を分解して自分のピースと照らし合わせるのが大好きな私は、こちらの方が実は盛り上がり…。社会人になってからの出来事や自身への不満、そういったものを一つずつ解きほぐすようにトークを視聴していました。

このセッションでは「熱中シート」に書き出したことへの熱中度を星で示し、グループ内で発表をしました。哲学的なテーマのため少し難しく感じるところもありましたが、もう少しトークについての感想を交換できるとよかったかなと思います。

Session 2 の TED Talk

まとめ

この手のイベントは「敷居が高い」ものと取られがちです。
しかしふたを開けてみれば大学生から還暦以上の方まで、さまざまな“知りたがり”の人々が集まる和気あいあいとした会でした。休憩時間にはお菓子を食べながらおしゃべりしたり、アフターパーティーでは美味しい料理を食べ、お酒を飲みながらワイワイとお互いのことを語り合ったり。

異業種交流会とも似ていますが、TEDx のルールで営利的なことは認められていないため純粋に「知的好奇心の“交流”」を図ることができる貴重な場だと思います。


地元で評判のイタリアンのケータリング!おいしくて食べ過ぎました。:P

TEDxHamamatsu では、浜松市内外のスピーカーがトークを行うスタンダードイベントの開催が2016年9月に決定しています。私は昨年のイベント参加を逃してしまったため、今からとても楽しみでなりません。

一般参加者(パティシパント)の応募も開催近くには公式WebサイトFacebookページで告知されると思いますので、浜松近郊(それ以外でもOK)で面白いことないかなーと思っている方はぜひ覗いてみてください。


恒例の「X」ポーズで記念撮影して無事終了しました!
Photo by TEDxHamamatsu / CC BY-NC-ND 2.0