母たちのものぐさ玉子焼

子供が大人たちの諸事情で幼稚園編入となった。
そのドタバタもなんとか落ち着き、仕事もやっと落ち着いて取りかかれるようになってきた。

とは言うものの、幼稚園の預かり延長保育は16:30がタイムリミット、週末には翌週のスケジュールを立てるのに未だ四苦八苦している。

そんな生活を始めて2週間になるが、4月は家庭訪問やらPTA総会、その他もろもろで給食がない日もあり、何度か弁当を作る機会がある。朝の弱い私は半分寝ぼけた状態で作るのだが、毎度欠かさないおかずがある。

玉子焼きだ。

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高校生のころ、ほぼ毎日母が弁当を作ってくれていた。そして毎日決まって入っていたのが玉子焼き。素の状態もあれば、若布が入っているときもあった。それを3年間。

だが途中で大きな変化があった。巻かれなくなったのだ。
その作り方といえばほとんどオムレツで、ゆるいスクランブルエッグを鍋肌に寄せて形を整える。本人曰く「巻くのがめんどくさい」らしいのだが、それでもよく毎日作り、私も飽きずに食べたものだ。

そしていつしか私もその作り方を真似し、弁当の玉子焼きはオムレツもどきになった。

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「あんたが幼稚園のころ、小さい弁当箱にほんのちょっと作るのが楽しかったわー。」と、今でも時折思い出したように母は言う。まぁ確かに小さい弁当箱に少しずつ盛り、残りは朝食にしてしまえるところは、楽しいというよりは楽である。

保育園の時は遠足ぐらいしか弁当を作る機会は無かったが、これからますます弁当を作る回数は増えていくんだろう。ああ、ものぐさにとってそれはそれで試練なのだ。

と、そんなことを思って久しぶりに作った玉子焼きは、見事に“オム裂”になってしまっていた。